ディジタル温度計の存在理由はどの程度か

ディジタル温度計の存在理由はどの程度か
 前日記事の続き

 あらためて10年以上前に購入し,先日いかれた温度計の画像を以下に示す。

 本体価格は2万円強で,表面温度用のプローブを追加購入することでプラス8千円くらいの出費だったと思う。標準で付いてくる液温センサーは単体販売だと6千5百円だ。

 温度計の機能はデータホールドとメモリー機能,これは最大値と最小値の呼び出しは出来る。及び表示単位として摂氏温度と華氏温度の切り替え。
 この程度のものがいまだに同じような値段で販売されていることに俺はどこか納得できない。

 そもそも一昔前以上,業務用途でプローブ(温度計の場合は感温部)を交換可能なディジタル温度計を購入する大きな理由の一つは表面温度の計測を目的としていたからではないかと俺は考えている。
 液温や気体の温度を測るだけなら幾らでも安くて便利な温度計はあった。表面温度を測る必要に迫られて商売人は3万円近く出費してディジタル温度計と合わせて表面温度プローブを追加購入していたのが実相ではなかろうか。

 しかしそれから数年してこの状況は一変する。
レーザーを照射する非接触放射温度計が劇的に低価格化して,しかもそれはまずまず使えるだけの測定精度を備えていたからだ。

サインソニック 非接触式 赤外線放射温度計 レーザーポインタ付 【-32~+380℃計測可】出版社/メーカー: サインソニック(SainSonic)メディア: エレクトロニクス

 見よ。二十数年前なら10万円出しても手が届かなかったのに今やこんな値段で買えるのだ。
実際俺も3年くらい前に共立の温度計を一万円くらいで買った。

 非接触の放射温度計の原理的な強みは文字通り非接触であることに尽きる。異なる温度のもの同士が接触することで不可避的に起きる熱伝導が被測定物の元々の温度をわからなくさせる場合がある(例えば測定対象の体積が物凄く小さく,温度は高いが保有している熱量がごく少ない),という論理的な”穴”がこれにはない。
 実用に耐えるだけの精度が出ているとわかると俺の場合,それまで使っていた接触式の表面温度プローブの出番は全くなくなった。ディジタル温度計の出番自体が半分以下に減ってしまったのではないだろうか。

 そこへ持ってきて,現在俺は真面目に使い倒すテスターを仕入れるつもりであれこれ物色しているのだが,海外製のテスター(特にアメリカ製)になるとかなりの割合で温度計の機能が組み込まれている。
 俺の場合輸入機械を扱う場面があるので,現場で単位換算する手間を省くために華氏温度表示の機能を持っていると都合が良いのだが、アメリカ製となるとこれまた当然のように単位表示の切り替え機能を持つ。それどころか二点計測の差分表示とかまで組み込まれたものがある。ヘタな単体温度計顔負けだ。
 テスターのメーカーによっては測定用の温度プローブが標準的な付属品として同梱される場合があり,併せてテスターリードの接続端子をミニオメガプラグに変換するアダプターまでついてくる。だめ押しで昨今のディジタルテスターにはUSBやシリアルポートでコンピューターに測定データを転送してデータロガーの機能を持つものまでが低価格化してきており,こうなってくるともう,ラボラトリーレベルでの測定精度だとか余程特別な機能を持たない限り単体のディジタル温度計の存在理由が物凄く希薄になってしまう。
 
 今までは国内メーカーの標準的な機能のテスターと今回破損したディジタル温度計の組み合わせで仕事をしてきた俺の装備はこれから先は温度計やその他諸々を内蔵した多機能なテスターと放射温度計の組み合わせに置き換わることになる。
 ここ数日は風邪気味で家の中で朝から晩まで海外メーカーのテスターの資料を読み漁る日が続いており,金欠状態からは脱出の兆しが見えてきたので昨日一台目を発注した。

 話題はテスターに変わるが,今まで計測器については海外メーカーへの関心も予備知識もなく、漫然と問屋の店頭に並んでいるものを買い続けて来たが,こうして視野を拡げてみると瞠目すべき商品がかなりあることを知った。いずれブツが届いたら記事にしようと思う。
Source: 厨房買取を東京、神奈川で展開する厨房買取.com